(3日目③) 首都、平壌へ!
前回記事:「(2日目)国際列車で北京から平壌へ! - 北朝鮮旅行記2015年」
〈革命の首都、平壌市へ!〉
「あ、空港だ!!」
思わず口に出してしまった。あれが、平壌国際空港。建設中の新ターミナルが見える。帰りはあの空港から北京へ出国する。ということは、平壌市の郊外にいよいよ入ったということだ。長かった列車の旅も、いよいよ大詰めだ!
そういえば、街を歩く人の姿も、田舎っぽさがなくなり、都会的な感じだ。
平壌市、間里駅。3路線が乗り入れているそうだ。
現代的なアパートやマンションが増えてきた。舗装道路に、街灯も現れてきた。平壌の中心部が近づいてきている。ワクワクが止まらない。
高い建造物も一気に増えてきた。
これは、建設中のマンション。拡大してみればわかるが、お世辞にも頑丈な作りには見えない。震度5程度の揺れで崩壊しそうだ。もっとも、北朝鮮は地震がほとんどないので、日本ほど頑丈に造る必要はないが。
あっ、あの右の奧に見える超高層ビルは……
キタ━━━━(*゚∀゚*)━━━━!! 伝説の柳京ホテルだ。高さ330mは北朝鮮No1。1987年に建設が始まるも、財政難から建設が中断。一時は、世界一の廃墟として有名であった。しかし、数年前から建設が再開され、御覧の通り、外観は美しい。もっとも、ホテル計画は再び白紙に戻ったらしいが。
高層ビルが大好きな私にとっては、死ぬまでに一度は見たかった建造物。興奮が抑えきれないぜ!
西浦駅。国際貨物ターミナルがあり、中国からの物資がここで降ろされるそうだ駅のプラットホームには屋根もある!田舎の駅とは格が違うのだ。
〈大都会・平壌市内の中心部へ!〉
人口300万の巨大都市、平壌市の中心部に入っていく。
あ、ガソリンスタンドだ! 北朝鮮にもガソリンスタンドはあると聞いたが、実際の写真を見たことがなかったので、興奮した。しかも、なんか電光掲示板もあるよ!近代的だね(笑)
巨大高層マンションが何棟も立っている。
時刻は19時14分。平壌では帰宅ラッシュ。バスの停留所で並ぶ大勢の人々。
交差点の歩道橋。
平壌市民の重要な交通手段であるトロリーバス。昭和っぽくてレトロだ。
上の写真は、私が最も好きな平壌市内の美しい風景の一つ。街路樹と芝生が美しく、背後の近代的な高層マンションとマッチしている。この写真だけ切り取ったら、これが北朝鮮だとわかる人はいないだろう。
これを見た後、もう一度、地方の写真に戻ると、あまりの違いに愕然とする。平壌市は、北朝鮮にとって別格であり、特別な都市なのだ。
チョンさんが笑顔で教えてくれる。ツインタワーのあれが宿泊予定の高麗ホテル!間もなく、平壌駅!終点だー!
平壌駅に着いたー!!!!
長かったーーーああー長かった(´・ω・`)
中国の北京を出発したのが、前日の17時30分。到着が現地時間の19時23分。約25時間。経験したことのない、長時間の移動。キツかったー。
自分以外、オール北朝鮮人という中で、緊張感、心細さは、相当なものであった。厳格な荷物検査は緊張で泣きそうになった。
しかし、この心細さを支えてくれたのは、「同ジ部屋ノ人ハ、ミンナ仲間デス」と言って、異国人の私に優しく接してくれた北朝鮮人であった。
メシを奢ってくれて、日本についてや家族のこと、いっぱい彼らと語り合った。日本語をカタコトで話せる人が同室にいたなんて、奇跡としか言いようがない。
列車を降りた後、最後まで私を支えてくれたキムさんと握手。お礼を言う。旅行、楽しんできます。自分の目で、朝鮮を見てきたいと思います。また、どこかで!カムサハムニダ!
〈ガイド2人組と合流!高麗ホテルへ!〉
「Oさんですか?」
流暢な日本語で、私に話しかけてきた男性。
ああ、どうやら、この人達が今回お世話になるガイドさんのようだ。1人は、サングラスの似合う、ちょっと怖そうな(笑)、50代前半ぐらいに見える男性がいど。彼をガイド1(G1)と今後呼ぶ。もう一人は、40代前半ぐらいに見える細身の男性ガイド。彼をガイド2(G2)と呼ぶ。
G2が荷物を持ってくれて、外国人専用の出入り口へ。
(私) 予定より、早く着きましたね。
(G2) いえ、予定より遅れましたよ。予定では、もっと早く着く予定でした。
あれ、そうか。iPhoneの時計が、北京の時間になっている。北朝鮮とは1時間の時差があるから、直しておかねば。
(G2) 列車はどうでしたか。
(私) いやー、長かったです。ただ、列車の中で、同じ部屋になった朝鮮の人たちが、ごちそうを奢ってくださって、助かりました。
(G2) 朝鮮では、同じ部屋になった人は、みんなでご飯を分け合いますよ。
(私) はい。おかげで、とても楽しかったです。
平壌駅を出ると、駅前にはたくさんの車やバスが所せましと停まっている。
(私) すごい車の数ですね。
(G1) ちょうど、国際列車が来る時間帯なので、それでですよ。
専用車にのって、数分で高麗ホテルへ。すぐにホテル内食堂で夕食をとる。
平壌市内で初めての食事。メニューは肉団子、スープ、キムチ、キュウリのサラダなど、ごくごく普通のもの。久々のまともな食事とだけあって、本当にうまかった! 残さずぜーんぶ完食!ごちそう様と思ったら、すかさずウェイターが……
おかわりのごはんをもってきた!!
そうだった。朝鮮は、完食する=物足りない、もっと食べたいということを指す文化圏だったことを忘れていた。日本とは違って、お腹いっぱいなら残さなければいけないのだ。
日本は「もったいない」の国で、残すことは善しとしない。ましてや、北朝鮮は食料不足の国なので、残すのは国民に申し訳ない気がしてしまう。苦しみながら、もう一杯のごはんを食すのであった(笑)